船の種類と見分け方を一覧で紹介!商船や漁船から軍艦・小型船まで

船の種類と見分け方を一覧で紹介!商船や漁船から軍艦・小型船まで


「船の種類を思いつく限り挙げてみてください」と言われたら、何種類くらい頭に浮かびますか?

「意外とたくさんは思いつかなかった」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、船の種類を一覧でまとめ、特徴や見分け方も解説していきます。

商船や漁船から小型船まで多種多様な船を紹介しますので、ぜひ目を通してみてください。

船の種類は用途で分けるのが一般的!商船・漁船・特殊船・軍艦がある

出典:Twitter

一般的に、船の種類は用途によって「商船」「漁船」「特殊船」「軍艦」の4つに分けられます。

商業的な目的で運航される「商船」については、さらに「旅客船」(乗客の移動を担う船)と「貨物船」(物流を担う船)の2種類に分かれます。

旅客船は乗客を運ぶ商船!3種類の例を紹介

出典:Twitter

商船のうち乗客を運ぶ船を旅客船と言いますが、旅客船にも様々な種類があります。

ここでは「一般旅客船」「カーフェリー」「クルーズ船」の3例を紹介します。

国内各地を結んで人や荷物を運ぶ「一般旅客船」

主に乗客を運ぶ船で、国内各地の港を結んだ航路を航行します。

船によっては一緒に生活物資などの荷物も運ぶことがあります。

参照:国土交通省中部運輸局 ※左記をもとに編集

乗客と一緒に自動車も運ぶ「カーフェリー」

フェリーとは、海の上を定期的に運航して人やモノを運ぶ船のこと。

乗用車や貨物自動車も運ぶフェリーは、「カーフェリー」と呼ばれます。

最近のカーフェリーは大型化して乗り心地も良く、客船のようなタイプが多くなっています。

参照:日本長距離フェリー協会 ※左記をもとに編集

日帰り~長期間の乗船体験を楽しむ「クルーズ船」

クルーズ船とは、乗船体験自体を楽しむための船のこと。

長期間の航海を楽しむ豪華客船をイメージする方も多いかもしれませんが、最近では乗船時間が1~3時間程度の日帰りクルーズも人気で、気軽に乗れます。

参照:郵船トラベル ※左記をもとに編集

貨物船は荷物を運ぶ商船!3種類の例と見分け方を紹介

出典:Twitter

貨物船とは、貿易物資や国内貨物を輸送する船です。

貨物の種類によって様々なタイプに分かれており、外見や内部の構造もそれぞれ違っています。

ここでは「コンテナ船」「原油タンカー」「LNG船」の3種類を例として紹介します。

様々な貨物をスピーディーに運ぶ「コンテナ船」

生活雑貨から危険物まで、様々な貨物を国際規格のコンテナに詰めて運べる船です。

外見上の特徴は数多くのコンテナを積んでいることですが、貨物船の中では最速という、意外と知られていない特徴もあります。

参照:日本船主協会 ※左記をもとに編集

タンクに原油を積んで運ぶ「原油タンカー」

原油を運ぶための船で、下記のような特徴があります。

  • 船倉が複数の区画に区切られたタンク状になっている
  • 船底などが二重構造になっており、事故の際の原油流出を最小限に抑えられる
  • パイプラインやポンプがあり、原油の積み下ろしに使える

参照:日本船主協会 ※左記をもとに編集

液化天然ガスの運搬に特化した「LNG船」

天然ガスをマイナス162℃の超低温で液化させたものを、「液化天然ガス(LNG)」といいます。

LNG船は液化天然ガスを運ぶための船で、特殊な素材のタンクを備えている、気化した天然ガスをエンジンの燃料に使えるなど、先端技術が盛り込まれているところが特徴。

貨物船の中でも、かなり高価な部類です。

参照:日本船主協会 ※左記をもとに編集

漁船は漁業に従事する船のこと!4つの種類を解説

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漁船とは漁業に従事する船のことで、漁船法第2条では下記4種類が規定されています。

  1. 漁業に従事する一般的な漁船
  2. 漁獲物の保蔵や加工を行う船
  3. 漁獲物や加工品を漁場から運ぶ船
  4. 漁業に関する試験・調査・練習などに使われる船で、漁業用の設備があるもの

参照:漁船法|e-Gov法令検索 ※左記をもとに編集

上記4種類の漁船のうち、「1」は沿岸での釣りや採藻に使われる小型船から、まき網漁船、マグロ漁船、捕鯨船まで、海産物の水揚げや養殖などに使われる船を指します。

「2」は水産物の加工などを行える設備を持った船のこと。缶詰の製造や、魚肉への加工、製油など、作る加工品は様々です。

「3」は水揚げされた水産物やその加工品を漁場から運んでくる船を指します。冷凍設備など運搬に必要な設備を備えています。

「4」の例としては、水産関係の教育機関で使われる「漁業練習船」や、海洋モニタリング調査など漁業に関する調査に使われる「漁業調査船」などがあります。

参照:水産研究・教育機構 ※左記をもとに編集

特殊船には様々な種類がある!3つの例と見分け方を紹介

出典:Twitter

特殊船とは、特殊な作業に従事する船のこと。

作業の内容に合った構造や設備を備えているのが特徴で、様々な種類があります。

大型船の離着岸をサポートする「タグボート」(曳舟)

貨物船などの大型船は、港湾内などの狭いエリアで細かく動くことができません。

そのような大型船をロープで牽引したり、船首で押したりして、離着岸のサポートなどを担当する船を「タグボート」(曳舟)と言います。

また上記の業務の他に、船の針路を警戒したり、海上火災・流出油の処理に当たったりもするため、様々な設備を搭載しています。

タグボートの特徴は、船体が小さめで馬力が大きいこと。大型船を押しているときが最も見分けやすいです。

参照:内海曳船株式会社 ※左記をもとに編集

船の乗組員を育てる実習訓練のための船「練習船」

練習船とは、海運に携わる人材を育成するための実習訓練に使われる船を指します。見分けやすいのは立派な帆を持つ帆船ですが、ディーゼル船などのタイプもあります。

練習船での実習では、将来の船舶職員たちが、応用実践力や高度な知識・技能、国際航海に必要な教養などを習得すべく、訓練に励みます。

参照:海技教育機構 ※左記をもとに編集

海の状態や地球温暖化の影響を調べる「観測船」

調査や研究を目的として、必要な設備を搭載した船を「観測船」と言います。様々な観測用の機器を積んでいますが、外見では見分けづらいかもしれません。

観測船で行われる調査の例としては、下記があります。

  • 海の表面から深層まで、水温・塩分濃度・酸素量を観測
  • 海水中や洋上の大気中の二酸化炭素濃度を測定
  • 化学物質や浮遊プラスチックなどの汚染物質を観測

参照:国土交通省 気象庁 ※左記をもとに編集

軍艦は海上自衛隊や海軍に所属する船!3種類の例を紹介

出典:防衛省 海上自衛隊 公式Twitter

「軍艦」とは、一般的には戦闘行為のための船と考えられていますが、広義には補給艦や輸送艦なども含まれます。

ここでは日本の軍艦の中から「護衛艦」「掃海母艦」「潜水艦」の3種類を紹介します。

他の軍艦や商船を守る任務にあたる船「護衛艦」

護衛艦とは他の船の護衛を担当する船のこと。

海上自衛隊が保有する装備品の中でも種類が多く、公式サイトでは13種類の型の護衛艦が紹介されています。

掃海母艦やミサイル艇など他の軍艦を護衛するだけででなく、例えば商船を海賊から護衛するなど、民間の船を守るケースもあります。

参照:海上自衛隊 ※左記をもとに編集

航空機などの移動基地として補給を行う船「掃海母艦」

掃海母艦とは、航空機や掃海艇などへの燃料・物資の補給を主な任務とする軍艦で、移動基地のような役割を果たしています。

日本では海上自衛隊が掃海母艦「うらが」型、「ぶんご」型を運用。東日本大震災などの災害派遣にも活用され、救援物資の輸送や被災者への支援などを担っています。

参照:掃海母艦うらが公式サイト ※左記をもとに編集

海中に潜って隠密行動ができる船「潜水艦」

海の中を潜航して行動できる軍艦を「潜水艦」と呼びます。

日本の海上自衛隊では「おやしお」型や「そうりゅう」型をはじめ、多くの型の潜水艦が運用されています。主な兵装としては魚雷が一般的です。

参照:海上自衛隊 潜水艦隊 ※左記をもとに編集

小型船には様々な種類がある!身近なものを3つ紹介

出典:Twitter

「小型船」は漁船などの業務で使われる船と、レジャーやスポーツで使われる「プレジャーボート」に分けられます。ここではプレジャーボートの代表的な例を3つ紹介します。

エンジンを動力として進む小型船「モーターボート」

モーターボートとは、エンジンなどを動力として進む、比較的スピードの速い小型船を「モーターボート」と呼びます。

レースなどのスポーツや、クルージング・フィッシングなどのレジャーに用いられる船を指すことが多く、エンジンで動く小型船でも漁船や貨物船はモーターボートとは言わないのが一般的です。

参照:コトバンク ※左記をもとに編集

帆に受けた風を動力として進む小型船「ヨット」

ヨットは海や湖の水面を帆を使って進む乗り物です。大自然の中を滑走する爽快感が魅力で、スポーツとしてもレジャーとしても世界中で愛されてきました。

ヨットには1~2人乗りのディンギーや、より多くの人数が乗れるクルーザーといった種類があり、楽しみ方も色々あります。

参照:日本セーリング連盟 ※左記をもとに編集

小回りが効く小型船「水上バイク」(PWC)

水上バイクとは、海の上を素早く移動できる小型の乗り物のこと。分類としては小型船舶の一種で、定員は1~2人と少なめのものがほとんどです。

水上バイクは「水上オートバイ」「PWC(パーソナルウォータークラフト)」とも呼ばれるほか、商品名もメーカーごとに「ジェットスキー」「マリンジェット」など違いがありますが、基本的には同じ乗り物を指しています。

参照:ヤマハ発動機 ※左記をもとに編集

まとめ:船の種類は旅客船・貨物船・漁船など様々!見分ける楽しさを味わおう

出典:Twitter

一言で「船」と言っても、身近で気軽に乗れる旅客船から、生活に必要な物資・資源を運ぶ貨物船、国の防衛に用いられる軍艦まで、種類や用途は様々です。

何気なく眺めていると景色のひとつでしかない船も、よく見るとそれぞれ目的に合った機能や特徴が備わっているなど、新しい発見がたくさんあります。

外出先などで出会った船に興味を持ってみると、海がもっと楽しめそうですね。ぜひ、見かけた船の種類をチェックしてみてください!