毒魚12種類を一覧で紹介!刺されない方法は?食べられない魚はどれ?

毒魚12種類を一覧で紹介!刺されない方法は?食べられない魚はどれ?


毒魚の中には刺されたら危険な「刺毒魚」と、食べると食中毒を起こす魚がいます。

この記事では12種類の毒魚を一覧で紹介。刺されない方法に加え、食べていい毒魚の見分け方も解説します。

刺されたら泣くほど痛い!トゲに注意すべき刺毒魚6種類

ヒレのトゲなどにある毒腺から毒を出して身を守る魚類を「刺毒魚」と呼びます。

刺毒魚のトゲが刺さると傷口から毒が流入し、強い痛みや腫れなどの症状が発生。場合によっては意識を失うなどの重篤な症状が出ることもあるので、十分注意しましょう。

刺されたら意識を失うことも!磯釣りの定番外道「アイゴ」

出典:Twitter

楕円形の体と三角形の尾びれを持つ魚で、黄灰色や暗褐色の体に白い斑点があるのが特徴です。

背・腹・尻ビレに鋭い毒を持つトゲがあり、刺されると激しく痛み、意識を失うことも。

磯で釣れることが多く、食用にもなりますが、釣り上げた場合や調理の際にヒレを素手で触らないことが重要です。

参照:国土技術政策総合研究所ホームページ(左記をもとに編集)

頭周辺の大きな棘に注意!ごんずい玉でも知られる「ゴンズイ」

出典:Twitter

ウナギのような体形ですが長さは短く、大きい頭と8本の長いひげを持ちます。色は茶褐色で腹は白く、黄色や白の線が縦に入っています。

集団で行動する習性があり、幼魚の群れは大きな団子状になるため、「ごんずい玉」と呼ばれます。

毒があるのは、背びれと胸びれの付け根についている固いトゲ。

刺されると赤く腫れ、ズキズキした激しい痛みが2日間程度続きます。麻痺が残ったり、患部の周辺が壊死したりした事例もあります。

磯遊びでごんずい玉に触れてしまったり、磯釣りで釣り上げたりしたときに刺されることが多いほか、ゴンズイの死骸を踏んで被害に遭うケースもあるので、注意しましょう。

参照:国土技術政策総合研究所ホームページ(左記をもとに編集)

小さくても刺されたら激痛!磯釣りの常連外道「ハオコゼ」

出典:Twitter

体長10㎝以下の小さい魚で、赤っぽい色をしており、岩場などに生息します。

カサゴと似ていますが、可食部が少ないため、食用にはなりません。

ハオコゼは大きく張り出した背ビレなどに強い毒を持っているので、安易に触ると危険です。

釣りでは外道としてお馴染みの魚ですが、刺されると数時間から数日間、強い痛みが残ります。

参照:京都府公式サイト(左記をもとに編集)

刺し傷からの出血も怖い!長い尾に棘がある「アカエイ」

出典:Twitter

アカエイは体長1~2mに成長する大型のエイで、尾の裏にある棘に毒があります。

アカエイの棘で負った傷はギザギザになりやすく、大量に出血することがあります。毒による痛みは6~48時間ほど続きます。

その他の症状として失神、脱力、吐き気などがみられることがありますが、呼吸困難や死亡に至るケースはまれです。

アカエイは砂地を好んで潜むため、波打ち際を歩いている時に踏んでしまって刺される事例が多いので、注意しましょう。

参照:アカエイによる刺し傷|MSDマニュアル(左記をもとに編集)

長い毒棘で深い傷を負うことも!綺麗だけど侮れない「ミノカサゴ」

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体の縞模様と大きなヒレが特徴。ヒレのトゲに毒があり、刺されると強く痛みます。

特に背ビレのトゲは長いため、深い傷を負って病院での治療が必要となるケースもあります。

ミノカサゴは優雅に泳ぐ姿が美しいので、ダイビングの際などは観察したくなるかもしれません。

通常、ミノカサゴの方から襲ってくることはありませんが、撮影などの目的で近付きすぎると、トゲを立てて立ち向かってくることも。

観察するときは、一定の距離を保つようにしましょう。

参照:串本海域公園|環境省(左記をもとに編集)

美味しいけど棘は痛い!釣り人に人気の根魚「オニカサゴ」

出典:Twitter

オニカサゴは体長20~50㎝ほどで、頭が大きく、赤っぽい色をした魚です。

美味しい高級魚として知られ、旅館などでオニカサゴ料理が振る舞われることも。

その一方で、ヒレに毒がある危険な魚としても有名です。

毒は背ビレ・腹ビレ・尻ビレなどのトゲにあり、魚が死んだ後も残ります。

釣った後や調理の際に危険なので、ヒレを切ってしまう釣り人も少なくありません。

参照:オニカサゴの特徴|Honda釣り倶楽部(左記をもとに編集)

死亡例のある魚も!食べてはいけない毒魚6種類

厚生労働省は公式サイト上で、食中毒の原因になる動植物のリストを公開しています。

食中毒の原因になる動植物のうち、「動物性自然毒」にリストアップされているのは、すべて魚類や貝類が持っている毒。

ここではその中から、特に注意したい毒魚を6種類ピックアップします。

参照:厚生労働省ホームページ(左記をもとに編集)

日本でも7件の死亡例あり!毒魚の個体がいる「アオブダイ」

出典:Twitter

アオブダイは最大80cm程度まで成長する魚。その名の通り青色の体と、成魚になるとできる前頭部のこぶが特徴です。

ブダイの仲間は美味しい魚としても知られていますが、アオブダイは「パリトキシン様毒」と呼ばれる毒で食中毒が起きると報告されているため、食用にするのは危険。

パリトキシン様毒は水に溶ける性質を持ち、加熱しても分解されないので、火を通しても煮汁などに毒の成分が残ると考えられています。

アオブダイによる食中毒では、横紋筋融解症をはじめ、呼吸困難・麻痺・痙攣といった重篤な症状が確認されています。国内の死亡例も7件記録されています。

参照:厚生労働省ホームページ(左記をもとに編集)

フグと違って身にも毒が!近年食中毒が増えている「ハコフグ」

出典:Twitter

名前の通り、体が箱形をしている魚で、最大30cm前後まで成長します。

体表は硬い甲羅状になっていて、黄褐色に斑点状の模様があるのが特徴。

フグ毒であるテトロドトキシンは持たないため、食用にする地域もあります。

しかし近年ハコフグによる食中毒の事例が増加しており、原因はアオブダイの毒と同じ「パリトキシン様毒」とされています。

また、刺激を受けると皮膚から粘液毒を出す習性もあります。

参照:厚生労働省ホームページ(左記をもとに編集)

アオブダイと同じ毒があることも!「ソウシハギ」

出典:Twitter

体長50~100cmの魚で、体は楕円形で長く、尾ヒレは丸い形です。

ソウシハギは「パリトキシン」という毒を内臓に持っていて、家畜の死亡例があるとされています。

日本では本州中部より南に分布していますが、近年は生息域が北上傾向にあり、各県が注意を呼びかけています。

参照:厚生労働省ホームページ(左記をもとに編集)

免許なしで捌くと危険!クサフグなどフグ類は毒魚の代表格

クサフグ、サバフグ、トラフグ、ショウサイフグなど、フグ類はテトロドトキシンという毒を持っています。

毒の強さはフグの種類や部位によって異なりますが、特に肝臓や卵巣は高濃度の毒素が蓄積されやすく、食べると中毒を起こします。

国内ではフグによる食中毒が毎年30件程度発生し、数名が死亡しています。

なおフグの有毒部位を取り除く作業を行っていいのは、免許のある人だけです。

免許がない人が自分の判断でフグを調理するのは極めて危険なので、行わないでください。

参照:厚生労働省ホームページ(左記をもとに編集)

カワハギ類と間違いやすい!フグ科の毒魚「キタマクラ」

出典:Twitter

キタマクラはフグの中でも小型の魚で、主に熱帯域に分布しています。

体の形からカワハギと間違える人もいますが、胸ビレから尾ビレにかけて帯状の模様が入っているのが特徴。

古くから毒魚だと知られていたため、キタマクラという標準和名がついたのだろうと推測されています。

キタマクラが持つ毒は、フグ毒として知られる「テトロドトキシン」。

特に皮の毒が強いことが明らかになっているので、釣れた場合も素手では触らないようにしましょう。

参照:私立しものせき水族館 海響館(左記をもとに編集)

メゴチと見た目は激似!強烈な異臭がする毒魚「ヤリヌメリ/ノドクサリ」

出典:Twitter

メゴチと似ている魚です。ヤリヌメリと呼ばれたりノドクサリと呼ばれたり、地域などによって呼び方が違いますが、毒がある種類は強烈な臭いを持っています。

メゴチは天ぷらなどで美味しく食べられる魚ですが、メゴチと間違えてヤリヌメリ/ノドクサリを食べてしまい、食中毒を起こした事例もあります。

また、うっかりクーラーボックス入れてしまうと、一緒に入れた魚が臭いで台無しになってしまうところも怖い魚です。

参照:国立保健医療科学院(左記をもとに編集)

毒魚が釣れたらどうする?持っておきたい道具を紹介

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釣りをしていると、毒を持つ魚や生き物が釣れてしまうことは多々あります。

その場合は、できるだけ魚に触れずに針を外したり、ハリスを切ってリリースする必要があります。

長めのプライヤーや魚バサミ(フィッシュグリップ)があると、より安全に毒魚を扱えますので、用意しておくとよいでしょう。

毒魚に刺されたときの対処法は?命にかかわる?

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毒魚に刺されたときの対照法について、以下に引用します。

傷口を洗浄し、とげが残っている場合は除去することが必要です。 魚の毒は、たんぱく質が主成分のため熱に弱く、熱を加えることで分解する性質を持っています。刺された場所に、44度前後の温水で30〜90分浸すことが有効です。 良くならない場合は、早期に皮膚科への受診をお勧めします。

出典:いおうじ応急クリニック

引用元サイトによると、刺毒魚に刺された場合の主な症状は痛み・腫れ・しびれ。

重症になると吐き気・嘔吐・下痢・腹痛といった症状が出ることもあるので、医療機関を受診したほうがよいでしょう。

さらに、稀ではありますが、アナフィラキシーショックで意識の混濁や呼吸困難が起きるケースも。その場合は、救急車を呼ぶ必要があります。

毒魚を食べる方法は?食べられない魚との見分け方はある?

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刺されると危ない「刺毒魚」の中には、食べられる魚や美味しい魚も多くいます。

調理する場合は、ヒレなどの毒トゲに注意。先にハサミなどで切り取っておきましょう。

一方、食中毒が報告されている魚を食べるのは極めて危険。

食べられない魚を覚えるのも大事ですし、「よくわからない魚は食べない」という心がけも大切です。

参照:Honda釣り倶楽部(左記をもとに編集)

まとめ:毒魚が釣れたら正しく対処するのが重要!

出典:Twitter

この記事では、刺されたら危険な「刺毒魚」と、食べると食中毒を引き起こす毒魚を紹介しました。

加えて、危険な魚が釣れた時や刺された時の対処法も簡単に説明しています。

釣りをするときや、海で遊ぶときは、毒魚をうかつに触ったりしないよう注意しましょう。

また、釣った魚を食べる前に、食中毒のリスクがないか、よく確認しましょう。

正しい知識があれば、毒魚を見分けたり、適切な対処をしたりできるようになります。

海でのレジャーを楽しむ前に、準備や情報収集をぜひ行ってください。

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