海洋資源とは|世界と日本の現状や問題についてわかりやすく解説します

海洋資源とは|世界と日本の現状や問題についてわかりやすく解説します


「海洋資源」は私たちの暮らしに必要不可欠なもの。
でも「海洋資源」ってなに??

この記事では海洋資源について、そして世界の海で深刻な問題となっている海洋資源の現状についてわかりやすく解説しながら、海を守るために日本と世界でおこなわれている取り組みをご紹介します。

海洋資源とは

海洋資源とは、海洋に存在し、人類が利用できる資源・エネルギー源の総称。
技術的に回収・採掘可能であり、かつ経済性が成り立つことによって人間が有効利用できる資源・エネルギー源のことです。

海洋資源には以下のようなものがあります。

・メタンハイドレート
・海底熱水鉱床(レアメタルなど)
・マンガン団塊
・石油
・波力
・水産物(魚介や海藻など)
・塩


海洋資源の現状と問題|魚の減少が止まらない?!

出典:Twitter

前段の「海洋資源とは」からわかるように、海洋資源は国の産業と私たちの暮らしに欠かせません。
その貴重な海洋資源をとりまく大きな問題として、以下の3つがあります。

●地球温暖化による海水の酸性化
大気中の二酸化炭素が海水に溶け込むことでそれらが酸として働き、炭酸イオンを減らしてしまう「海の酸性化」。炭酸イオン濃度が減少すると、生きものの成長に必要な炭酸カルシウムを作りにくくなります。

●海洋汚染による生態系への影響
プラスチックなどの海洋ごみ、海上事故による重油流出などにより海が汚染されています。これらが原因で、海の生態系に多大な影響を及ぼしています。

●水産資源(魚介や海藻など)の減少
上記2つの問題に加え、乱獲により海の生きものの数が減少。漁業にも影響を与えています。

【参考記事】UMILAB「2050年までに海のプラスチックごみが世界中の魚の量を超える?

SDGsと海洋資源の関係性

出典元:Twitter

人類が安定してこの地球で暮らし続けることができるように、世界のさまざまな問題を整理し、解決に向けて具体的な目標を示したのが「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」です。

SDGsの17ある目標のうち、目標14に掲げられているのが 「海の豊かさを守ろう」

海洋ごみ、乱獲などが原因となり海と生き物たちに大きな影響を与えるなか、「海の豊かさを守る」ためにどうしたらいいのか世界各国で考えながら、持続的な管理や保護、海と沿岸の生態系を回復させるための取り組みを推進しています。

海洋資源保全に向けた世界と日本の取り組み

海を守るために、世界も日本も動き出しています。

【世界】「責任ある養殖」を認定・支援するASC(水産養殖管理協議会)認証

出展:Facebook

「ASC認証」とは、ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)による、環境に負担をかけず地域社会に配慮して操業している養殖業に対する国際的な認証制度のことです。

ASCは劣悪な労働環境、ずさんな現場運営、水質汚染、生態系の攪乱など様々な問題がこれ以上進まないよう、“責任ある養殖” をうたっています。

ASC認証についてはこちら

【スウェーデン】専門家・行政・漁師が海洋の持続可能な共同管理モデルを開発

2009年にスウェーデン初の海洋国立公園「コステルハーベット海洋国立公園(Kosterhavet National Park)」が制定され、約1万2000種類の動物が生息しています。

しかしこの場所はエビ漁の長い伝統をもつ地域で、国立公園制定にあたり保護推進側と地元漁師の間で激しい対立が起こりましたが、その後、海洋研究専門チーム、国立公園を監督する組織、海洋水管理庁、地元の漁師が力を合わせて海洋の持続可能な共同管理モデルを開発。

これらにより国立公園内での持続可能な漁業を実現し、海洋資源の保全と伝統的な漁業が共存できることを示しました。

取り組み例
・漁師に対する天然資源の管理に関するトレーニング(海洋生態学の知識を増やすなど)
・当局者や研究者に対する漁法と伝統に関するトレーニング(地元の漁業への理解を深める)
・持続可能な漁具の開発

【日本と世界】海洋プラスチックごみによる追加汚染ゼロを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」

2019年に開催されたG20大阪サミットで、日本政府は海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を提案。

主に以下の施策を通じて,廃棄物管理,海洋ごみの回収そしてイノベーションを推進するための,途上国の能力強化を支援することを決定しました。

① 2国間ODAや国際機関経由の支援等の国際協力
- 世界において2025年までに廃棄物管理人材を10000人育成する
- ごみ収集車の提供
- 最終処分場の整備のための技術協力 など

② 日本企業・NGO・地方自治体による活動の国際展開
- 廃棄物処理関連施設等のインフラ輸出
- イノベーション・技術導入(海洋生分解性プラスチックなど)の支援 など

③ ベスト・プラクティスの発信・共有
- 日本の官民の取組におけるベスト・プラクティス(経験知見・技術)を発信・共有
- 「海洋プラスチックごみナレッジセンター」の設立 など

【日本】プログラミングで海の豊かさを守るプロジェクト

出典:Facebook

「プログラミングで海のSDGs!」は、「海と日本PROJECT」の一環として実施しているプロジェクト。

SDGsの「海の豊かさを守ろう」をテーマに、プログラミングワークショップを通じて子ども達がICT(プログラミング)による社会課題解決を体験します。

まとめ:海と海洋資源を守るために私たちができること

いかがでしたか。
この記事では、海洋資源とは何か、海洋資源の現状と問題についてご紹介しました。

実は、これらの問題を解決するためにわたしたちができることはたくさんあります!

・海にごみを捨てない
・家庭ごみを適切な方法で処分する
・ごみを増やさない
(過剰な包装を控える、リサイクルできるものを選ぶ など)
・自然素材でつくられた服を選ぶ
(合成繊維でつくられた服を選ばない)
・地場ものの魚介類を選ぶ
・海の保全活動やイベントに参加する
・ASC/MSC認証食材を選ぶ


みんなの海をみんなで大切にしましょう。
正しく食べて、海を応援しましょう。
まずは、海の現状を知ることから始めてみましょう。

海洋資源とは 文中画像

出典:Unsplash

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